アドベンチャーなエピソード

「最近アドベンチャーしているな~って感じるエピソード」

今働いている学童にたまに来る一年生の女の子がいて、その子は学童でうまく自分の感情や、状態を言葉で伝えることができなくて、彼女自身も困っているように見えた。

うまく言葉が話せないのは学童という場所の
「環境」のせいなのか?
それとも彼女自身の「性格、気質」なのか?

彼女が学童で言葉をうまく話せないときに
「話せるように関わっていくようにする」ということもできる。

つまり、
「どこにいっても言葉によって自分のことを
 伝えられるようにしていく」
ように関わっていくことだ。

その考えも間違っていないと思う。

その子が成長していったときに言葉によって自分の感情や、コミュニケーションを取らないといけないから。

その女の子には言葉によって自分の気持ちを伝えられるようになってほしいけれども、
でも今その目の前の女の子が学童の「環境」によって言葉が出てこないのならば、その責任は僕ら指導員にあるわけだ。

つまり、僕は彼女が言葉を話せないのは「環境」のせいという仮説をたてた。

彼女は学童に来たときから言葉が出なくて、
その日は工作のイベントがあったのだけれどもその工作に取り掛かることができずにいた。

するとそれを見た指導員の一人が話せずにいる彼女に対して
「ちゃんと話して!」と言った。
そうしたら女の子は泣き始めた。
しかしそれが「工作ができなかったこと」で泣いているのか?

指導員に
「ちゃんと話して!」
と言われたからなのかどちらかわからなかった。
15分くらい彼女に対して彼女に言葉で
「どうして泣いているの?」とか「悲しいんだね」とかいろいろ聞いてみて彼女の感情を「言語化」させようとしてみたが、うまくいかなかった。

そこで僕は「しるらないカード」を使って、彼女自身の気持ちを言葉にすることをしてみた。
そうしたら彼女の中に割としっくりくるカードを選ぶことができた。
そのカードは「キティ」のようなキャラクターで、口が無く、その顔からは表情が読み取ることはできなかったが、彼女は気持ちをそのカードによって知ることができた。

そして「それがどうなったらよい?」という問いのもとにカードを選んでもらった。
それもまた口がないキャラクターだった。

その後もいろいろなアプローチをもとに彼女が「安心」できる環境を模索した。

まあしかし、その行動は施設のリーダーとしてはふさわしくない行動だと判断されたらしく、いろいろな注意を受けた。

ちょっと前の僕であれば今回のようなことに対して「行動を起こす」ということはしなかったと思う。

それは彼女が「安心」できる環境という考えがなかったからだと思う。

「安心」できる環境が人によって違うこと。
「チャレンジ」できる環境が人によって違うこと。

僕は今いる子どもたちがいる学童が「安心」で「チャレンジ」できる環境にしたい。
そのためのステージはまだまだ先だけれども、まずは彼女が「安心」できる環境を一緒に探していきたいと思った。