続プラバン?

ある女の子の物語の続き。
今日はプラ板を作る日。
彼女は今日も作り上げるのに苦労していた。

困っている様子の彼女にこんな風に声をかけてみた。
「あなたは困っているように見える、だからあなたは困っているのかと思うのだけれども、それで合っている?」
彼女は「うん」とはっきりと答えた。
それから彼女の「困っている」ことに関して聞いてみたら、

二つ描きたいのがあったが材料は一つしかないのでどっちかに決めることができないとのことだった。
「じゃあそれぞれに点数をつけることはできる?」
というと両方とも10点満点中9点だという。
「それじゃあ決めることは難しいね」と彼女に言うと、
「だから困っているの」と答える。

そこでふと出てきたアイデア
「じゃあ先生がコインで決めてあげる。同じ点数だったらどっちでも同じだよ。」
と言ってコインを出してそれを投げる真似をしたあとに、
「本当に先生が決めていい??」
というと、彼女は片方に決めた。

時間内に彼女は作ることができなかったけれど、前とはずいぶん違う気がする。

彼女は学童から出る前までは俯いていたけれど、
ふと後ろから様子を見てみると、とても楽しそうに走って帰っていくのが見えた。

一緒にいた指導員は
「決めるのが遅いからできなかったのよ」とか
「損するのは自分でしょ、自分で決められるようにならないと」と言っていた。

僕はそこに「コンテント」と「プロセス」を見る。

彼女に「過程」に焦点を当てた時に、たった何日間の間のここまで成長するのかと思うほど感動した。
前回は工作に手を出すことができなくて、その理由を説明できなかった。
今回は「何に悩んでいるのか?」ということを自分で言葉にして伝えることができ、一つしか作れないことでどっちにしたらいいのかという事を説明し、片方に決断することができた。

ただ、工作が時間内にできなかったという「コンテント」は同じ。
彼女の走り去る姿を見た時に、「チャレンジしてるなあ~!!」と思うと同時に、
自分のやりたいことがより明確になった。
こういう事ができた時に自分はこの仕事をやってて良かったなあ~と思うわけだ。